ひとのやりかた

Category : 日記


 広げたばかりの模造紙は元の姿に戻ろうと端を丸める。各々が隅に筆箱を置いて抑える。

 教卓へ道具を取りに行っていた子が戻ってくる。模造紙の上に戦利品のポスカや画用紙を並べていく。

 一人が鉛筆を取り出す。シャーペンは禁止されていた。いわく、授業中にバラしたりする子や、ノックの音で集中できない子がいるから。

 特に禁止されていないノック式のペンをカチカチと鳴らしながら、テキパキと分担を決めていく姿を眺める。よかった、僕の作業量は多くなさそうだ。ぼんやりとそんなことを考える。

 各々事前に調査してきたことを模造紙に書き込んでいく。下書きしてから書き出す子やいきなり色とりどりのポスカで書き始める子もいる。

 全員が全員一度に書き始めたら流石にスペースがない。僕ともう一人は作業を眺める。会話は特になかった。

 最初に仕事を終えたのは下書きから入った子だった。今思えば、キチンとした下準備がいかに作業効率を上げるかがよくわかる。

 僕は先に作業に取り掛かることにした。下書きはしない。

 前の授業の時間に出されていた調査内容をまとめたノートを開く。調査にインターネットを使ってはいけないらしい。パソコンがある家とない家の差が出るからだそうだ。今ではネットが使えない子の方が少ないだろう。

つまり調査は主に本と人に聞くことになる。地区センターの本を探すのが大抵の場合の僕らのやり方だった。

 わからないことを調べるとき、今の世の中ではすぐにネットを参照できるだろう。便利なものだ。

 持論がある。

 メモをスマホで取る。わからないことをすぐに検索する。それでは覚えれない。

 紙とペンを持って、人との会話の中で問題を解決する。そちらの方がよほど身になる。

 自分の考えをまとめる時に頭に浮かんだ単語や考えをノートにずらずらと書き出していく。後で見ても解読できないそれは、今は役に立つ。

 自分の作業を終える。配色センスが0なのでいつも黒一色のスペース。とはいっても似た者同士で集まっている以上、模造紙上の黒の比率は高い。

 OJTとは名ばかりの放置期間を過ごしている。課題を出され、月一でまとめて発表する。7月から始めて今回で3つめの課題だ。

 わからないことだらけ。何がわからないのかわからない。新人なんてそんなものだろう。

 いつも忙しそうな先輩の隙を見て、詰まっている部分を尋ねる。彼は一言、「自分で調べて」と言った。もちろん自分でやれるところまでやった上で聞いているのだ。僕は彼を頼るのをやめた。

 出来上がった学級新聞を張り出す前に各グループが発表をする。女子が多い班は見映えがよい作品が多い。なんの面白みもなく、自分たちの発表を終える。

 僕はプレゼンが苦手だ。

 10人くらいの先輩に向けて1ヶ月の成果を発表する。「まあ新人だしこんなもんだろう」そんな声が聞こえそうな雰囲気で発表は終わった。というか実際に聞こえた。

 壁に張り出された他グループの作品を眺める。4コマ漫画を描いてるものや絵が多いものはやはり目を惹く。

 所狭しと文字を詰め込んでそれを読み上げるだけの人からありがたい言葉をいただく。文字が少ないと。僕は一言「次は気をつけます」もちろん気をつけるつもりはない。

 調査ひとつにしても、資料の作り方ひとつにしても人が違えばやりかたも違うだろう。自分のやり方を押し付けて、頼りにしてきてくれた後輩を無下にする。そんなやり方僕は認められないけれど。


 まとまんない。おわり。

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